【読書メモ】ハーバードビジネスレビュー2月号「新興国市場:日本企業の戦い方」
先日にひきつづき、HBR2月号の読書メモを残しておきます。
先にご紹介した記事はこちら。
【読書メモ】ハーバードビジネスレビュー2月号「新興国のグローバル企業に学べ」 - ロボットでした I was a Robot
Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2014年 02月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/01/10
- メディア: 雑誌
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新興国市場:日本企業の戦い方
ブラジル・ロシア・インド・中国・インドネシアの5カ国において、7つの製品カテゴリについて調査した結果、日本企業はインドネシア・インドを除きそれぞれの市場で他国の後塵を拝している。
例えばテレビならLG、パーソナルケアの分野ではP&Gといった多国籍企業が新興国においてもトップシェアを獲得している。
日本企業は新興国戦略を練り直し、課題を克服する必要がある。
日本企業の4つの課題とは
新興国市場における日本企業の課題は4つある。
- ミドルレンジ・ローエンドセグメントの市場を嫌っている
- 合併・買収に消極的であり、自前主義にこだわっている
- 財務的にも組織的にも新興国市場へのコミットメントを避ける傾向にある
- 人材のしかるべき配置を怠った
1.ミドルレンジ・ローエンドセグメントの市場を嫌っている
新興国のハイエンド市場は拡大中とはいえ、競争が極めて激しい。
しかも日系企業は製品を差別化する高級ブランド戦略をとらない傾向にある。
例えば、インドではブラウン管テレビが主流であり、2009年のテレビ販売量の70%を占めているにもかかわらず、日本企業が注力するのは高価な薄型テレビばかりである。
いっぽうでLGやサムスンはミドルレンジ・ローエンドセグメントにフォーカスしており、それぞれ25%ずつのシェアを占有している。
日本のソニー、パナソニック、東芝のシェアははあわせても13%にしかならない。
日本企業は、製品分野(の売上)が成長している間にシェアを獲得することの戦略的重要性を理解できていない、とある。
4.人材のしかるべき配置を怠った
この点については、現地オフィスにおける日本人駐在員比率が高いにもかかわらず、彼らの権限範囲が限られていることが指摘されており、同時に人材不足によるマネジメント能力不足に陥っていることが言及されている。
例えば、ある家電メーカーを例にとると、日本企業のインド市場関連の業務に携わる350人のうち、20人(5.7%)を日本人が占めている。
いっぽう、LG電子ではインド市場担当5500人のうち、駐在員ははたった15人(0.27%)!
この割合だけみても、日本人がいかに「自前主義」でやりたがるのかが伝わってくるようですね。
もちろん日本企業も4にかんしては十分承知していて、ある程度の規模の製造業では、現地人材だけで現地のオペレーションを回すことを目標に、駐在員ベースから現地マネジャー育成へシフトしている段階にあると感じています。